ペーパークラフトとは?
紙素材の立体模型・立体構造物の総称です
ペーパークラフトとは、紙を素材として立体物を作成する立体模型・立体構造物の総称です。一般的には、設計の元になるキャラクターや動物、乗り物、建物などを設計後に平面に展開し、絵柄付けをして仕上げ線やノリシロをつけ、一般の人が作成できるように仕上げたものを言います。「飛び出す絵本」や「POP-UPカード」、「動きや音を出せる紙製ギミック」、紙を素材とした「ノベルティ」等も、広義においてはペーパークラフトとなります。「折り紙」もペーパークラフトの一つのカテゴリーになりますが、紙模型工房においては扱っておりません。
どなたでも楽しめる趣味です!
ペーパークラフトは根気よく作れば、誰にでも完成させることができます。中には細かく精密なものもありますが、じっくり時間をかけて組み立てるのもまた楽しいものです。組立説明の解説に従い、切るところを切り、折るところを折り、接着すべき場所に接着する。これが基本です。紙に印刷された絵が、手に取れる立体となって目に前に現れるでしょう。
「紙模型工房」無料ペーパークラフトの作り方
「紙模型工房」の無料ペーパークラフトを制作する場合に、ご注意いただきたい箇所をご案内いたします。
こちらは当サイトで無料公開しているペーパークラフトに限定されるものなので、他サイトで公開されているペーパークラフトには当てはまらない場合がございます事を予めご了承ください。
ペーパークラフトの道具と材料・組み立ての基本
ペーパークラフトを始めるために必要な道具や材料、そして基本的な組み立てのテクニックをご紹介します。
1. プリンターと印刷について
▼染料インク・プリンタ:写真印刷や光沢感を重視する方におすすめ
「染料インク」は液体感が強く、紙に深く染み込むタイプです。自然に近い発色で、紙の光沢感を活かしやすい、顔料インクと比べて印刷スピードが速く、価格が安い等の利点があります。しかし着色面が滲みやすく、水に弱く、光による退色(色褪せ)がしやすい、乾燥まで時間がかかる、という弱点があります。色の滲みに関しては、インクジェット専用紙を使うことで防ぐことは可能です。
6色純粋染料。背面手差し0.30 mm/A3ノビ1枚まで。写真画質と厚紙対応を両立。6色染料、4.3 型タッチパネル。背面1枚0.23 mm厚紙。
6色ハイブリッド(※ブラックのみ顔料)。UIが軽快、ディスクレーベル印刷も。
5色ハイブリッド(※ブラックのみ顔料)。A4まで/背面手差し1枚。
2. 用紙について
▼自分好みの用紙を見つけることが大切です
ペーパークラフトの組み立てに適した紙は、厚さが0.15㎜~0.25㎜前後のものが向いています。コピー用紙のような普通用紙ではなく、ペーパークラフト専用の厚紙を使うことがおすすめです。A4サイズで紙厚0.2~0.25mm程度(160~180g/m2程度)のものをご用意ください。ペーパークラフト専用紙は、大手の家電量販店などで購入できます。Amazonなどのネット通販でも「ペーパークラフト専用紙」と検索すると購入可能です。用紙はなるべくお使いのプリンターのメーカーと合わせるほうが、印刷結果の発色が良いかと思います。レーザープリンタをご使用の場合、インクジェット用の用紙で印刷すると、用紙表面のコーティングがはがれ、ドラムに焼きつく可能性がありますのでご注意ください。プリンタインクへの対応ですが、汎用タイプの他に「染料専用」と「顔料専用」などがある場合があります。お使いのプリンタが染料型か顔料型かによってお選びください。
ツヤ無し、顔料・染料対応顔料インク専用
インクジェット/レーザー対応
3. 切る道具
▼ペーパークラフトは用紙を切る作業から始まります。切り線の上を丁寧に切ることが基本です。
デザインナイフ
折る刃式カッターでもいいですが、できればデザインナイフがオススメです。刃先をこまめに交換して、常によく切れる状態で使いましょう。
ハサミ
普通サイズの他に、刃の小さいクラフト用があると便利です。
4. 折る道具
▼用紙を折る前に折り目(スジ)をしっかり入れておくと、キレイに折ることができます。
刃先を潰したカッター
カッターナイフの刃先を少しだけ出し立てた状態で、刃の先端を目の粗い紙やすりで潰します。30秒くらいガリガリと削ると、刃先が削られて丸くなっていると思います。指先で軽くなぞっても切れる気配が無くなったらOKです。「すじ切り」をしたような状態になるので、鋭角的に折ることが出来るようになります。

鉄筆
端が鉄の針状になった筆記具。主に謄写印刷で用いるものです。
インクの切れたボールペン
先端のボールが動かなくなってしまったものは紙を痛めるので避けてください。
トレーサー
手芸用の鉄筆で、インクの出ないボールペンのようなものです。
千枚通し
手を使って穴を開ける文房具です。重心が後方なので少し慣れが必要です。
小骨抜き
魚の小骨を取る為のピンセットですが、小さなパーツに鋭角な折り目がつけられます。特に谷折りの時に重宝します。
5. 貼る道具
▼接着剤
紙の原料が木ですので、木工用接着剤(ボンド)が接着効果は抜群です。速乾タイプがオススメです(白い容器です)。接着剤を少量ずつ塗ってから貼り合わせます。また、ボンドが乾くまでしっかりと押さえておくことが大切です。注意点としては、ペーパークラフトを水性インクのインクジェットプリンタで印刷した場合、印刷面がボンドの水分で滲みやすくなってしまう場合がありますので、ボンドはつけすぎないようにしましょう。またボンドは乾燥した後で接着面が硬化します。これはメリットとなる場合もありますが、ボンドの特性として覚えておくとよいかと思います。ボンドは乾燥するまで少々の時間がありますので、その間に接着位置の微調整を行うことができます。逆に言うとボンドの水分が乾燥してしまう前に、位置あわせを行う必要があります。タミヤクラフトボンドや、コニシ(株)の「ボンドGクリヤー」なども良い接着剤です。
☆ 現時点で最もオススメなのが、木工用ボンドで有名なコニシさんから発売されている紙用のり「ボンド ペーパーキレイ」です。
両面テープ
強力に接着でき、広範囲の接着に向いています。しかし、瞬時に接着できるがゆえに、貼りあわせ時に失敗ができない一発勝負的な要素があります。幅5mm~10mm程度の一般用のもので大丈夫です。障子用の両面テープは熱や紫外線に強く、経年劣化による剥離(剥がれ)を起こしにくいのでお薦めです。
※オススメできない接着剤
- 事務用のスティックのり:乾燥すると接着箇所が剥がれやすいのでペーパークラフトには不向きです。
- 「ヤマトのり」:水分が多すぎるので展開図の紙が膨張し、ふやけてしまうので完成時に歪になってしまう可能性があります。
- テープのり:手軽で便利なのですが、意外と接着力の維持時間が短く、完成後に部品が取れやすいようです。
6. 丸める道具
▼丸い棒
パーツを丸める(アールを付ける)ときに使います。様々な直径の丸い棒(ペン、金属棒、竹串など)を用意しておくと便利です。紙目に沿って丸めるとキレイに早く丸めやすいですが、パーツが紙目に沿っていない場合は時間をかけて丁寧に丸めましょう。
ステンレス製の丸棒の例:
7. 補助する道具
▼爪楊枝
接着剤をのりしろに塗るときに使います。用意するのが手軽です。爪楊枝についた接着剤が乾燥すると使いにくくなるので、こまめな交換が必要です。
コーキングヘラ
外壁塗装等に使う小型のヘラです。金属製なので接着剤を拭き取りやすく、厚さが薄いので細いスキマでも接着剤を塗布しやすいのです。各種サイズがあります。
金属製耳かき
細部に接着剤を塗ったり、指の届きにくい箇所を押さえたりするのに便利です。
カッティングマット
カッター専用の下敷きで、机の上と刃先を保護します。はがきサイズからA2サイズの卓上版まで各種サイズがあります。
ピンセット
指先が届かないような場所の組み立てに使います。糊付けした部分をはさんでおくことで細かな部品の接着も楽にできます。まっすぐ伸びたストレートタイプや、先端が曲がったツル首タイプ、先端が平らな切手用、などがあります。ツル首タイプが使いやすいように思います。
私のお勧めはタミヤのピンセット「クラフツツール No.80 クラフトピンセット」です。しっかりとした肉厚なので力が入れやすく、接着位置が乾燥するまで押さえておくのに最適です。また、細かなパーツの折り曲げ作業にも使いやすいように思います。
定規類
長い直線の切断や、折り曲げのサポート等に使います。アルミ製のものがオススメですが、アクリル製でも金属のサポートパーツが付いているものもあります。
メガネ型ルーペ
ハズキルーペがオススメです。度数(拡大率)が選べます。
跳ね上げ式もあります。
組み立ての基本とコツ
キレイにつくるポイント
▼ペーパークラフトは時間をかければ誰でも完成させられますが、よりキレイに仕上げるためのポイントをご紹介します。
- カッターの刃はこまめに交換する:よく切れる刃を使うことで、切り口が綺麗になり、力も少なくて済みます。
- 折り線はしっかりつける:スジ引きツール(鉄筆やインクの切れたボールペンなど)で折り線にしっかり跡をつけてから折ると、シャープなエッジが出ます。
- 接着剤は薄く均一に:接着剤をつけすぎると、はみ出したり紙が波打ったりする原因になります。のりしろ全体に薄く、均一に塗るのがコツです。爪楊枝やヘラを使いましょう。
- 焦らず乾燥を待つ:接着剤が乾く前に次の作業に進むと、形が崩れたりパーツがずれたりします。特に大きなパーツや重要な部分は、しっかり乾燥させてから次の工程に移りましょう。
- パーツの向きを確認する:特に左右対称でないパーツや、表裏のあるパーツは、説明書をよく見て正しい向きで接着しましょう。
- 指先の汚れに注意:手が汚れていると作品も汚れてしまいます。作業前には手を洗い、作業中もこまめに拭くなどしましょう。
「紙模型工房」無料ペーパークラフト印刷時の注意点
▼当サイトで公開している無料ペーパークラフトのPDFデータを印刷する際には、以下の点にご注意いただくと、より正確なサイズで印刷できます。
- Adobe Acrobat ReaderなどのPDF閲覧ソフトでファイルを開きます。
- 印刷ダイアログを開き、「ページサイズ処理」または同様の項目で**「実際のサイズ」**(または「倍率100%」、「拡大縮小なし」など)を選択してください。
- 「用紙に合わせる」や「縮小して合わせる」などのオプションが選択されていると、パーツが縮小されてしまい、組み立てが困難になる場合があります。
- プリンターの用紙設定で、使用するペーパークラフト用紙の厚さや種類を正しく選択することも、印刷品質の向上に繋がります。
組み立ての流れ(一般的な例)
▼- 展開図の準備:必要なページをすべて印刷します。
- パーツの切り出し:まずは大きなパーツから、または説明書で指示された順番にパーツを丁寧に切り出します。細かいパーツは後回しにすると紛失しにくいです。
- 折り線を入れる:切り出したパーツの山折り線、谷折り線にスジ引きツールでしっかりと折り目をつけます。
- パーツを折る:折り目に沿って、パーツを正確に折ります。
- 仮組み(任意):複雑な部分は、接着する前にパーツ同士を合わせてみて、形状や接着位置を確認します。
- 接着:のりしろに薄く均一に接着剤を塗り、パーツを貼り合わせます。しっかりと圧着し、乾燥するまで待ちます。
- ユニットごとに組み立てる:小さな部品群(ユニット)を先にいくつか作り、それらを最後に合体させていくと効率が良い場合があります。
- 完成!:全てのパーツを組み立て終えたら完成です。じっくり眺めて達成感を味わいましょう。